簿記3級レッスン!決算整理その2(固定資産の減価償却について)




前回は決算整理事項について、費用、収益の繰延べと見越しといった経過勘定と呼ばれるものについてご説明しました。

前回の記事はこちら

簿記3級レッスン!今回は決算整理について(費用、収益の繰延べと見越し編)
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それでは、今回も前回に引き続き決算整理事項の処理について書いていこうとおもいます。

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固定資産の減価償却

パソコンの経年劣化減価償却費とは、経年劣化が生じる固定資産を長時間に分けて費用化していこうといったものです。

例えばパソコンを20万円で1台購入したとします。

これが鉛筆だとか、ボールペンであれば消耗品費や事務用品費として処理すると思うんですが、パソコンの場合、購入した後、何年かかけて使用し続けることになりますよね。

なので、購入と同時にその全てを費用化してしまうのは変です。

だって、このパソコンを翌期以降も事業年度をまたいで使用し続けるのが普通だと考えると、そのパソコンを使用する事業年度全てに対して、パソコンの購入費用を分配するといった方法をとるべきです。

まぁ、簡単に説明すると「使い捨てじゃないものは、長い年月をかけて少しずつ費用にしていこう」というだけのことです。

そして、この費用を計上するための勘定科目を「減価償却費」といいます。

この減価償却費の求め方は、様々な方法があるんですが簿記3級の場合だと、一定の価格を数年に分けて費用化する「定額法」について出題されます。

定額法の減価償却について

定額法の減価償却費は、取得原価から残存価格を引き、耐用年数で割ることで求めることができます。

残存価格とは、固定資産を耐用年数まで使った際の処分価格。減価償却を終えてボロボロになった固定資産の価格で、大体が10%だったりゼロだったりします。

耐用年数とは、固定資産を使うに当たって利用できうる年数のことで、固定資産の種類によって定められています。

参考まで→国税庁の耐用年数表のページ

いくら使い捨てじゃないにしても、減価償却を行う年数はこのくらいですよと決められているんですね。

ちなみに残存価格と耐用年数は必ず問題文に記載されているので、特に覚える必要はないです。

例えば「備品について減価償却を行う」といった問題では、”耐用年数:4年、残存価格:取得価額の10%”とか書いてあるはずなので、それに従ってください。

では、実際にちょっとやってみましょう。

例題1. 備品の減価償却

例題1. 当期首に20万円で購入した備品について減価償却を行う。なお、備品の耐用年数は4年、残存価格は取得価額の10%とする。

では、まず初めに取得価額20万円から残存価額を引きます。

①200,000 – 200,000 × 10% = 180,000

次に①の答えである18万円を4年で割ります。

②180,000 ÷ 4 = 45,000

減価償却費は4万5千円となりました。

では、続きまして仕訳の方法についてご説明します。

減価償却の仕訳(直接法と間接法)

減価償却の仕訳は2種類あります。

まず、1つ目は直接法。

直接法とは備品の簿価と減価償却費で仕訳を切る方法です。

上記でやった例題1の場合、直接法だと

借方貸方
減価償却費45,000備品45,000

と、こうなります。

まぁ、納得の仕訳ですね。

では、2つ目。関節法についてです。

関節法の場合、備品の簿価に触らずに減価償却費を計上します。

具体的にどうするかというと「減価償却累計額」という勘定科目を使用して仕訳を行うことになります。

借方貸方
減価償却費45,000減価償却累計額45,000

こんな感じです。

実際に試験に出るのは関節法のほうが多いと思います。

ちなみに今回は「減価償却累計額」を使いましたが、試験では、備品の減価償却の場合「備品減価償却累計額」を、建物の減価償却の場合は「建物減価償却累計額」を使うことが多いと思いますので、問題文や与えられた資料に従ってください。

減価償却を行うタイミングについて

決算整理事項として減価償却を扱っている通り、減価償却は決算整理の際に行うものなんですが、決算整理以外にも減価償却を行う場合があります。

それは、固定資産を手放した時です。

例えば、期中に固定資産を売却したといった場合、売却した時点までの減価償却費を計上することになります。

ついでなので、この辺も一気にやっていきましょう。

例題2. 固定資産を売却した場合の減価償却

例題2. 前期首に20万円で購入した備品(耐用年数:4年、残存価額:取得価額の10%)を、7月31日に現金15万円で売却した。当社の事業年度は4月1日から翌3月31日で、減価償却は定額法、記帳は関節法で行っている。

では、一緒に考えてみましょう。

例題2の場合、固定資産を購入したのは前期首なわけですから、前期末の決算整理では1年分の減価償却費が計上されているはずです。こんな感じで。

借方貸方
減価償却費45,000備品減価償却累計額45,000

では、次に当期の7月31日に固定資産を売却しているので、当期首(4月1日)から売却時までの減価償却をおこないます。

1年分の減価償却費を月割りにして7か月分ですね。

45,000 ÷ 12 × 4(4月~7月までの4か月分)= 15,000

はい。当期7月までの固定資産の減価償却費は15,000円です。

では、仕訳を行います。

借方貸方
現金
減価償却費
備品減価償却累計額
150,000
15,000
45,000
備品
???
200,000
10,000

貸借に差額が出てしまいましたね(;´Д`)

この差額は固定資産を売却した際に発生した利益、または損失です。

固定資産の売却によって発生した利益、損失は、それぞれ「固定資産売却益」「固定資産売却損」という勘定科目を使って処理します。

なので、このようになります。

借方貸方
現金
減価償却費
備品減価償却累計額
150,000
15,000
45,000
備品
固定資産売却益
200,000
10,000

固定資産売却によって利益が出たんですね。

例題2では現金15万円で備品を売却したのですが、仮にこれが10万円で売却したとすると、次のようになります。

借方貸方
現金
減価償却費
備品減価償却累計額
固定資産売却損
100,000
15,000
45,000
40,000
備品200,000

まとめ

今回は固定資産の減価償却についてご説明しました。

特に難しくないとは思いますが、油断していると決算整理問題でないにも拘わらず、減価償却を行ってしまったりする場合もあると思うので注意してください(固定資産売却など、手放す際は別ですよ)。

では、次回も引き続き決算整理事項について書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

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